「【E2D3】第一回スポーツxデータビジュアライゼーションハッカソン」を開催しました

2017年3月4日、全世界的にオープンデータの利活用を考えるイベントを開催するインターナショナル・オープンデータ・デイ(IODD)である本日、「【E2D3】第一回スポーツxデータビジュアライゼーションハッカソン」を開催しました。

本イベントは、2017年2月18日に開催した「E2D3第1回スポーツデータなんでも可視化アイデアソン」で出たアイデアを実際に可視化するために企画されており、第1回目のE2D3主催のスポーツデータ可視化イベントはこのアイデアソンと本日のハッカソンで構成されます。


後半戦となるハッカソンでは、横浜オープンデータソリューション発展委員会主催の「インターナショナル・オープンデータ・デイ2017@横浜」の会場の一部をお借りして、参加者のみなさんが丸一日をかけてデータ可視化に取り組みました。昼食を挟んだ前後半に分かれており、ハンズオンとハッカソンを行いました。

 

第一部:インプットとE2D3ハンズオン 

まず、参加者の方にデータビジュアライゼーションのイメージを掴んで頂くために、データ可視化エクセルアドインであるE2D3のハンズオンを行いました。E2D3はGItHubでソースを公開して開発をし続けているオープンソースアプリケーションですので、GitHubの基礎的な操作やNode.jsのダウンロードまでを含めた一通りの作業を参加者全員で行いました。講師は、E2D3のえばたあやさんです。


ハッカソンに備えて、実際にデータ可視化を行う方法の一つを体験した参加者からは、「仕組みが理解できてよかった」「操作に慣れない部分はあるがコミュニティイベントを通じて解決したい」といった声がありました。

 

第二部:ハッカソン(一部参加者はアイデアソン) 

ハンズオン後は、前回アイデアソン参加者と今回ハッカソンからの参加者とに分かれて、前者はハッカソン、後者はアイデアソンを行いました。

ハッカソン側は、4競技に分かれてそれぞれ作業を進めました。前回考えたアイデアをベースに、実際にどのようにすればグラフに落とし込むことができるのか、サンプルデータの縦軸と横軸には何を設定すれば良いのかといったグラフの作り込みについてディスカッションして作品イメージを深めました。アイデアを出してデータやパーツを生成・準備するデザイナーやプランナー(ジャーナリスト、教師など含む)とイメージを実際にコードに落とし込むエンジニアとで、データのイメージ像を合わせるところに多く時間を割いていたチームもありました。

アイデアソン側は、実際に作品に落とし込める方(作品ありアイデアソンとして分類)は作品作成を、アイデア発表をしたい方(アイデアソンとして分類)はスライドを用いたアイデア発表の準備を行いました。

 

 

 

 

約5時間の作業の後、計8つのアイデア及びグラフ作品の発表がありました。

  • アクアスロン(綿貫) 作品ありアイデアソン

小金アクアスロンへの参加経験を生かして、アクアスロンの見所(逆転のポイント)を可視化。アクアスロンは水泳とランニングで構成される競技だが、スイム後の順位からランニング終了までにどのように順位が変化したかを見せたいと考えた。大会結果を表で見るだけではなく、 大会の最中にどのような順位変動があったのかグラフを見たときに感覚で理解できるようにしたいという思いがある。

感覚的に時間的な速さが棒グラフの長さで表されることに違和感がある、上位が上から並んでいれば見やすいのではないか、など意見が出ました。

 

  • 避難経路(strsho) 作品ありアイデアソン

E2D3のマラソングラフのアイデアをヒントにして、避難の経路を可視化。「釜石の奇跡」は日頃の避難によって実現したという話を受けて、避難訓練を楽しむことができるマップを作成した。ルート上の風景を撮影してマップ上に記録させることができるので、災害の状況に合わせてどの避難路を通れば良いか自分で考えて避難することができる。

災害時と通常時の避難の経路の違いを見られれば良い、リアルタイムで他の人と比較できないか、大人数でサービス化してはどうか、など意見が出ました。

 

  • 卓球(山田、えばた) ハッカソン

前回のアイデアソンに参加したチームがアイデアソンでのアイデアを形にした。二次元方程式で描くことができる弧を数式として表し、エクセル上に表示。係数部分を変化させることによって、卓球の球の弧が変化し、うまく相手陣地におちたり落ちなかったりするグラフを描くことができる。係数の変化によってどのように二次方程式のグラフが変化するかを楽しみながら体感することができる。

バスケや飛び込みなど他のスポーツに転用できるのではないか、虚数解のときはどんな表示になるのか、微分積分をスポーツとして表示できたら数学だけでなく物理なども勉強できて良いのではないか、などの質問/意見が出ました。

 

  • 動物オリンピック(松岡、平河)ハッカソン 

E2D3の徒競走グラフをヒントにして、動物の徒競走を可視化した。カタツムリとの競争も可能。

他の生き物(赤ちゃんなど)も比較したい、エクセルで小学生など子供が実際に触って可愛らしいアイコンがあるのが良い、など意見が出ました。

 

  • 50m x ソフトボール投げ(Nakane)アイデアソン 

盗塁選手を刺せるのかゲームにした。小学生の平均的な走る速さ(50m走)と投げる距離(ソフトボール投げ)をかけあわせて、競い合えるようにした。

盗塁選手を刺す要素を、小学生の走る速度とボール投げの距離に分解して可視化させる仕組みが良いとの意見が出ました。

 

  • シャトルラン(川沼)アイデアソン 

スポーツテストの一つで、決められた時間内に20mを往復することを何回繰り返せるかを測るシャトルランをエクセル上で表示できるようにするもの。クラス対抗にすることで、スポーツテストの事前学習に活用できるのではないか。

全国的に競争させられれば面白そう、往復のグラフと累積のグラフが同時に表示できたら良いのではないか、などの意見が出ました。

 

  • テニス(多田) ハッカソン

E2D3上でテニスコートを表現。サーブが重要なテニスをする選手たちが、試合後や練習後に自分が打った球がコートのどこに落ちたのかを可視化して、確認できるようにした。
 

データはどうやって取るのか、アウト率が若量にしたら選手が楽しめるのではないか、などの意見が出ました。

 

  • 学力テスト+体力テスト(鴨下、山本、林) ハッカソン

小学生個人の学力テストと体力テストの結果をエクセルに入力すると、横長の棒グラフが均衡を示すゲージのような形になっていて、相手の同データと比較させることができる。

アイデアと仕組みは面白いが作品化しなかったことが残念、評価軸に組み込むものとして性格や音楽など感性や協調性の部分と入れるのも良いのではないか、などの意見が出ました。

 

 

 

 

発表時には、「インターナショナル・オープンデータ・デイ2017@横浜」に参加されていた外部も傍聴されており、総勢30名程度の方への発表会となりました。外部参加者の方からも積極的なご意見や質問が出ていました。

ハッカソンの合間には、「インターナショナル・オープンデータ・デイ2017@横浜」でブース出展をされていた企業や団体の展示を見ることができました。今流行りのVRの世界で、自分が作ったバブルチャートを体感することができる展示やマンホールデータを蓄積するアプリに刺激を受けた参加者もいました。

参加者投票によって、決まった優勝者は、

イケメン卓球グラフ!

山田さん、えばたさん、おめでとうございます。

参加者の綿貫さんが差し入れて下さった、特製トライアスロン土産を差し上げます!

ハッカソン終了後は、「インターナショナル・オープンデータ・デイ2017@横浜」の懇親会に混ぜていただき、オープンデータの活用やデータ可視化の可能性について、熱く語り合いました。

ご参加の皆様、ありがとうございました。